造影剤を打つと体に何が起きるか|検査当日に知っておきたいリアルな話
◎ 造影剤を打つと体に何が起きるか|検査当日に知っておきたいリアルな話
「注射した瞬間、急に体が熱くなって……びっくりしました」 ……検査後によく聞く言葉です。
検査前に技師から説明を受けていても、実際に体で感じると驚くものです。この記事では、当日体に何が起きるかをあらかじめ整理しておきます。頭に入れておくだけで、当日の「わあっ」が少し減るはずです。
1. 造影剤を打つと、まず「熱く」なる
造影剤を注射すると、ほとんどの方が全身がじわっと温かくなる感覚を覚えます。顔や胸、お腹のあたりがぽかぽかしてくる、という表現をされる方が多いです。
これは異常ではありません。造影剤が血管を通って全身に広がる感覚で、体が反応しているだけです。数十秒もすれば落ち着きます。
注入スピードが速いとき、この感覚がより強く出ることがあります。現場で時々聞くのが「おしっこを漏らしてしまったかと思った」という声です(笑)。実際には漏れていませんが、股間のあたりが急に熱くなる感覚がそう感じさせるようです。なぜそうなるのか、正直なところ私にもよくわかりません。ただ、同じことを言う方が一定数いるので、知っておいて損はありません。
「熱い」「漏れた?」——どちらも正常な反応です。慌てないでください。
2. 吐き気が出ることもある
造影剤の注射後、気持ち悪くなる方もいます。頻度としては100人に1人くらいの印象です。多くはすぐに治まりますが、気持ち悪さを感じたらすぐに技師に伝えてください。我慢する必要はありません。
3. 「漏れ」が起きたときのこと
造影剤は血管の中に注射します。稀に、針がずれて血管の外に造影剤が漏れ出てしまうことがあります。
造影剤は1回の検査でおよそ100cc使います。これが全部血管の外に漏れてしまうと、腕がパンパンに腫れ上がります。さらに、漏れた造影剤が血管を圧迫して血流が滞り、最悪の場合は腕を小さく切開して造影剤を外に出す処置が必要になることもあります。
だからこそ、「なんか変な感じがする」と思ったら早めに伝えてほしいのです。早ければ早いほど、大事には至りません。
ただ——これは現場の正直な話ですが——違和感程度で撮影を止めてしまうと、造影剤が体に広がるタイミングがずれて、肝心な画像がうまく撮れないこともあります。「痛い」「腫れている気がする」はすぐ声に出してください。技師は撮影中は操作室にいるため注射部位は見えていません。あなたの声だけが頼りです。
4. まとめると、この3つだけ覚えておいてください
- 体が熱くなる → 正常です。すぐ落ち着きます
- 気持ち悪くなったら → 我慢せず、すぐ伝える
- 注射部位が痛い・腫れてきたら → すぐ声に出す。技師には見えていません
それだけです。難しいことはありません。
造影剤の検査で大切なのは、「変だな」と思ったときに黙っていないこと。それだけで、ほとんどのトラブルは防げます。
……検査前に「熱くなりますよ」と伝えても、それでも毎回「わあっ」となる患者さんを見ると、言葉で伝えることの難しさを感じます。 明日もまた、その「わあっ」を少しでも減らせるよう、検査室に立ちます。


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