救急の画像、ナースに教えやすいもの・教えにくいもの
◎ 救急の画像、ナースに教えやすいもの・教えにくいもの 「これ、どこ見ればいいんですか」 救急外来で、ナースからCT画像の見方を聞かれることがある。教えやすいものと、教えにくいものがある。 1. 骨折・気胸・解離は、教えやすい 骨折は、骨の線が途切れているところを指せばいい。気胸は、肺が縮んで黒く抜けている部分を示せばいい。大動脈解離は、血管の壁に線が入っているのを見せればいい。 これらに共通するのは、 「ここが正常と違う」と指させる、はっきりした境目がある ということだ。 2. 尿管結石は、たどっていけば見つかる 尿管結石も、実は教えやすい部類に入る。手順が決まっているからだ。 まず、 腎臓を見る。左右の尿管を見る。 どちらかが膨らんでいたら、そこが怪しい。膨らんでいる方を、スライスをめくりながら膀胱側へたどっていく。 すると、あるスライスで、 キラッと白く光る石 に行き当たる。まるで宝石を見つけるような感覚だ。膨らみを追いかけていけば、たどり着く。これが尿管結石の探し方だ。 3. 虫垂炎は、教えにくい 一方で、教えにくいものもある。 虫垂炎 だ。 骨折や結石のように、「ここに線がある」「ここが光っている」と、一点を指させるものではない。虫垂が 腫れている という状態そのものを見てもらう必要があるが、「腫れている」を伝えるには、比較する相手が要る。 正常な虫垂がどのくらいの太さで、腫れるとどう変わるのか。この基準を知らないと、腫れていると言われても、何を見ればいいのか分からない。 4. 「指させるもの」と「比べるもの」の違い 骨折や結石は、画像の中の 一点 を指せば伝わる。虫垂炎は、 正常な状態との比較 を知らないと伝わらない。 同じ「病気を画像から見つける」作業でも、教えやすさはこれだけ違う。ナースに説明するときも、この違いを意識すると、伝え方が変わってくる。 指させるものは、すぐに教えられる。比べるものは、基準を一緒に伝えないと、教えたことにならない。 ……「これ、どこ見ればいいんですか」に、うまく答えられないことがあると気づいた、冴えないおやじ技師の独り言です(笑)。 明日もまた、ナースに聞かれたときの答え方を考えながら、検査室に向き合います。