さてなぜか?
それは写るからです。
でも写った何がいけないのと思われませんか?
私は学生時代に思ったことがあります。
なぜだめなのか、それは病気をマスクしてしまう可能性があるからなんです。
レントゲンは影絵ですから、写りやすいものの後ろに位置するものは写りません。
金属はレントゲンにとてもよく写りますから、この金属の裏にあるものは見れなくなります。
例えばこのピアスのついている写真。
ピアスの裏側にもしも骨折があったら見えないわけです。
しかし、頭の骨折はこの画像でわかります。
この写真を撮影した方は、頭部打撲の疑いでレントゲン撮影されたのでしょう。だからピアスはとらなかったと解釈できます。
CT検査の時も金属をとってくださいと言われますね。
CTの時も、金属の裏側が見にくくなります。
赤丸の部分がピアスの周りです。
ピアスを中心にして、こんな風に金属の周りに黒い線や白い線が入ってしまいます。
業界用語で「アーチファクト」と呼びます。
今度、CT撮りに病院に行かれた時は「アーチファクトでないようにしてね!」と技師に声をかけてみてください。おそらくドン引きされます。
さて、話を戻しましょう。
このようにアーチファクトがでると、この線が入ってしまっている部分は診断できません。
もし、ここに腫瘍があっても線が写ってしまっているのでわからないわけです。
ただ、今回は頭部のCTだったようですから、脳の画像には影響は出てませんので問題ないといえば問題ないです。
なぜかというと、この症例は頸部に損傷が疑われるような症状はなく、念の為に撮影された頭部CTだったからです。
しかし、もしもピアスの周りあたりに今回の外傷とは関係ない病気があったりしたらいけませんので、通常私たちは撮影範囲に含まれる金属は外していただいています。
ですから、金属を外してくれと言われたらすみやかに外していただけるとスムーズになります。
検査前に外してあるとさらに助かります。
では。
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