手術前の症例で、S状結腸にやや大きめの癌があった症例。
いつものように患者さんを横向きに寝かせ、チューブ挿入。
そのまま空気を送気します。
「お尻から空気が入りますよ。力を抜いて楽にしてください。
おなかが痛いようでしたらおっしゃってくださいね~」
といって注入。
「スポッ!」
チューブが抜けました。
2回目のチューブ挿入後、もう一度空気注入。
「ズポッ!」
確かに注入時に抵抗があり圧力がかかるので、
腫瘍が発育して大腸トンネルを閉鎖しているのかと思ったが、
内視鏡はできていたらしいので、大腸トンネルは詰まっているはずはないのだが。。
そうそう、以前にも似たようなことがあった。
その時も大腸がんの術前検査で大きな腫瘍がある患者さんだった。
今回は体位変換してみることにしました。
体位変換で大腸に隙間をすくろうという作戦。
「うつ伏せになってください。」と患者さんにお願いし、さいど空気注入。
しかし、まだはいらない。
そして、
「大きく息をすって、吐いてしてくださいね。」
そう言って入れていくと、不思議なことに空気が入っていきました。
たったこれだけでも違うんだなと思った瞬間、また入っていかなくなり
いつもの半分くらいの量がはいったところで患者さんが痛がられたので
一度空気注入は中止して撮影した。
割と拡張しているが、上行結腸は拡張していない。
痛がってらっしゃるので、しかたなく妥協点かと思い撮影した。
その後、仰向けでの撮影になる。
この時にもう一度、空気を追加してみた。
するとまったく抵抗もなく空気が入っていった。
体位変換することで大腸がんによって閉鎖されかけていた、
大腸というトンネルに少しの空間ができたのであった。
すなわち、トンネルは閉鎖寸前だったといえる。
体位変換や呼吸をうまく行うと、腫瘍の位置や便、大腸そのものの位置が変化し、
空気の入りが大きく変わるということなのだろう。
みんさんはご存知だったかもしれないが、
もしも私のようなへっぽこ技師がこの世まだいるとしたら、
参考にしていただきたい。
以上
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