2015年5月9日土曜日

胃や腸に穴が開く病気のレントゲン撮影について

胃や腸に穴が開いてしまうという胃十二指腸潰瘍穿孔という病気はご存知でしょうか?

胃潰瘍などが進行して、胃などの壁に穴が開いてしまう病気です。
すぐに手術して穴を閉じなければいけません。

この病気をレントゲンで映すにはどうしているのかについて書きます。

この病気は、立って撮影する写真が重要です。

そうです、おなかが痛いのに立っていただきます。

なぜかというと、胃や腸の中には食べ物のほかに空気がはいっています。
おならやげっぷが出るのは、その空気のせいですね。

胃や腸に穴が開くと、その空気がおなかの中に拡散します。
胸と腹の間には横隔膜というものがあり、胸と腹をへだてています。

腸に穴が開くと、空気や食べ物が腸や胃から出ます。
この状態で患者さんが立つと、空気は重力で上に上がります。しかし、横隔膜があるから横隔膜の下にたまります。

この状態がレントゲンで撮影できれば、消化管(胃や腸の総称)穿孔(せんこう)の診断となります。

これがその写真です。


右の横隔膜の下に、通常だと写っていない空気が写っています。

同じ方のCT検査画像です。


CT撮影時は、寝て写真をとりますので肝臓の表面に空気が写ってきます。


この症例のように、空気が大量だとレントゲン写真でもわかりやすいのですが、空気の量が少ないとわかりにくいため、現在ではCT撮影がおおく撮影されています。

この腸や胃から出てき空気は、おなかの中を重力に従って自由に動き回ることができるので、フリーエアー(Free Air)と呼ばれています。

以上 消化管穿孔のレントゲン撮影についてでした。

0 件のコメント:

コメントを投稿