2015年5月4日月曜日

腸閉塞のレントゲン写真について その1

腸閉塞という病気をご存知でしょうか?

腸閉塞というのは腸が閉塞してしまう病気です。

腸は大腸と小腸とありますが、どっちが閉塞しても腸閉塞と呼んでいます。

これはレントゲンでとった腸閉塞の写真です。



写真の上半分は大腸が膨らんで写っているのがわかりますでしょうか?

ちなみにこの写真は、患者さんに立ってもらって撮影した写真です。


ですから腸の中では重力に従い、空気は上にあがり水は下にさがります。

そうすると、このように上半分は空気がいっぱい入っているので腸が大きく写っています。


反面、下半分は腸がないわけではなく、お水で腸の中が満たされているので写らない状態です。

腸が閉塞していると、そこから先にうんちやガス(おならの素)がおしり側におくられていかないでたまっていきます。

また、腸の中の水も普通は腸の壁から吸収されますが、腸閉塞だと腸の中にたまってしまいます。

この時に立って写真を撮影すると、ガスと腸の中の水分が写ってこのような画像になります。

これが気液体水平像とよばれている画像です。これが写っていると腸閉塞だ!と診断されるようです。



「おなか痛いのに無理やり立たせないでよ!」

と思われるかもしれませんが、頑張りましょう。


とは言っても、どうしても立てないというときもあります。


そこで撮影するのが、側臥位撮影法です。

これについては次回にしましょう。

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