2015年6月19日金曜日

(技師向けの話題)造影CTとチューブと注入圧の関係2

今回は、「インジェクターと注入圧の関係」についての続きです。


前回の話をまとめると、諸因子によって造影剤を注入するときのシリンジを押す力は変化するということになります。

さて、造影剤をダイナミックで注入するというと、大体どのくらいの圧力(PSI)がかかるでしょう?

当院の場合だと、根本杏林堂さんのチューブ(1メートル)を使用し、造影剤はオムニパーク300を100㏄シリンジで使い、血管は正中静脈にブルー針(22G)で血管確保し、秒3で注入した場合でだいたい70PSI位になります。

同じ条件で造影剤だけをイオパミロン370の100㏄に変更すると、だいたい130PSIくらいとなります。


黄色の針ではダイナミックするなと言われたことはありませんか?

これはなぜかというともうお分かりですね。

圧力がかかるからです。

圧力がかかるとどうなるかわかりますか?

実は針とチューブの接続部分に圧力がかかり、針とチューブが外れたりするのです。

24ゲージの針で留置した場合に、よく針とチューブの接続部分から造影剤が漏れることがあるかと思います。

黄色い針は長さが短い為、チューブのコネクタと接続しずらいことがあります。

ですから、接続(ねじ込み)がゆるいと高い圧力にまけチューブのコネクタが反回転して外れてしまうのです。

私が以前実験したところ、普通に固定した場合では90PSI程度で外れてしまいました。

そのあと頑丈に接続して実験しましたが、その時もだんだんとコネクタが反回転し、180PSI近辺で外れてしまいました。


ですから、このようにならないようにダイナミックの時には22Gや20Gで留置することにより、高い圧力をかける必要がないように工夫しているようです。

理由を知っておくことで、造影検査が安全に行われれば幸いに思います。

次回は、造影剤漏出と耐圧チューブに関してです。


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