2015年12月10日木曜日

造影剤を入れると体が熱くなるのはなぜか?

CT検査や血管造影検査などで造影剤を使う。

この造影剤を入れる瞬間に

「体が熱くなりますよ」

と声をかけるのが一般的です。

CT検査だと全身、血管造影だとその造影している部位。

例えば脳血管造影だと左右の血管別々に造影剤が注入されるからそれぞれ右の頭が熱くなったり、左の頭が熱くなるらしい。

らしいと書いたのは、自分が造影剤をうたれたらことがないからです。

この熱感は患者さんによって感じ方がいろいろなようで、

「もう二度とやりたくない」という人もいれば、「気持ちよかった」と言い出す人もいていろいろです。

ナースに「造影剤入れると体が熱くなるのか」と聞かれた時に、血管が拡張するかららしいよと答えると、

「静脈から造影剤を入れるからその静脈が拡張するの?」

「血管が膨らむほど高速に造影剤を注入しているのか?」

ということ返答が反ってきたがそうではなくて、浸透圧の影響で血管が拡張し体があつくなるというのが正しい。

造影剤は濃度の高い水溶液なので、これが血管にはいると細胞の中の液体が血管の中の造影剤を薄めるために血管の中にはいってくる。

そうすると、血管は水が多く入ってくる分だけ膨らむということだ。そして熱感につながるとうことらしい。

そういうこともあり、造影剤が濃いとその効果がおおきいようだ。

実際に心臓のCTなどで高濃度造影剤を高速に注入すると、普通の濃度でゆっくり造影した時より

「体が熱くなった」

という時の患者さんの声のトーンが大きいのだ。

理由は以上。

熱感がでることはしっかり患者さんにお伝えして、動きの少ない画像を撮影できるように精進していきたい。

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