2015年12月9日水曜日

CTC検査はなんで表裏で撮るのか?

アンギオ終了後、CTの室の周りをうろうろしていたら若い看護師さんが何やらCTの説明を受けていた。

どうやら、新人研修の一環で画像診断部も見に来たらしい。

放射線の代表的な部門はレントゲン撮影なのだが、最近はCTやMRIを見学させたがる。

恐らく、俺たち一般撮影担当おじさん技師に若いナースを近づけたくないのだろうとやや自虐的な解釈をしている。

さてさて、若い人たちに近づきたかったわけではないのだが、ちょっと近くで話をきいていた。

このとき、なんとも珍しくCTC撮影をしていた。

うちの技師がCTCを撮影しているところをみていたところ、活発そうな女の子が

「なんでうつ伏せで撮影するんですか?」というようなことを聞いていた。

CTCは空気を画像にしているので腸液があるとみえなくなります。

だから腸液をどかせるためにうつ伏せと仰向けの2方向を撮影していると説明していたが、

微妙なかんじだった。

ということで、ここではなぜ2方向撮影が必要なのかを記しておこうと思う。


CTCは空気を画像にしている検査です。即ち空気を画像化しているので空気以外のものがあると、邪魔になってうつりません。

この画像は患者さんがあおむけに寝ている時に撮影した画像です。腫瘍があるのがわかります。横に写っているのは空気を腸に入れるためのチューブです。



じつはうつ伏せの時は腫瘍gわかりません。(下の画像はうつ伏せの時)


なぜかというと、横からの画像をみると納得です。これはあおむけの時の横から見た画像。

こちらはうつ伏せの時に撮った画像を横から見たもの。腫瘍が写っていません。



これは、うつ伏せの時は腫瘍が腸液に水没しているからです。

ということで、この影響をなくすためにうつ伏せと仰向けを撮影しているのでした。

ちなみに、この2つの画像を合成して診断していると思われていることがありますが、そのような技術は現代の科学技術でもできていません。

それぞれの画像を観察して診断しています。

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