CT撮ったから胃検診はいらない?|その考え、ちょっと待ってください
◎ CT撮ったから胃検診はいらない?|その考え、ちょっと待ってください
「今日お腹のCT撮ったんだから、来週のバリウム検診はやめるよ」 ……現場でよく聞かれる言葉です。気持ちはわかります。でもこれ、非常に危険な誤解です。
CTと胃がん検診は、見ているものがまったく違います。
1. CTで胃がんが見えるとき——それは「デカい」ときだけ
腹部CTで胃がんが写るとき、それはがんがある程度大きくなっているときです。
なぜか。胃はしぼんだ風船のようなものです。食事をしていない状態では胃の壁がくっついていて、CTで輪切りにしても「何かある」とはなかなかわかりません。食事をしていればさらに複雑で、内容物と病変の区別がつきにくくなります。
CTは体全体を広く素早く見るのが得意な検査です。「山を上空から眺める」ようなイメージです。広く見渡せる反面、地面のヒビのような小さな変化は見逃してしまいます。
CTで胃がんが写るとき、それはすでに「相当大きくなっているとき」です。
2. 胃がん検診が必要な理由
胃がん検診(バリウム検査・内視鏡)は、CTとはまったく別のアプローチです。
バリウム検査では発泡剤で胃をパンパンに膨らませてから撮影します。8枚を基準に複数の角度から撮影することで、わずかな凹凸や粘膜の変化を見つけます。内視鏡ならさらに直接粘膜を観察できます。
CTが「引きの絵」なら、胃がん検診は「ヒダの隙間をのぞき込む」検査です。早期の小さながんを見つけるためには、この「専用の検査」が必要なのです。
3. 「CT撮ったから安心」が一番危ない
残酷な現実を言います。CTで「異常なし」と言われた胃に、早期がんが隠れていることがあります。
日本の胃がん死亡率が下がってきた背景には、専用の検診をコツコツ続けてきた人たちの積み重ねがあります。CTはその代わりにはなりません。
検診の案内が来たら、面倒でも受けてください。CTを受けた年も、胃がん検診は別に受ける必要があります。




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