今年は入ってきました新人放射線技師。小川君。ぴっかぴかです。
新人放射線技師の最初の配属場所は、おそらく9割の病院で胸部レントゲン撮影室でしょう。
ここで、「息をすって~、止めてください」「楽にしてください」を1日中言い続けるという訓練が始まります。
胸部レントゲン撮影は画像の読み方もさることながら、その撮影法に関しても実は奥深いものがあります。そのうんちくと技術を叩き込まれるのです。
部屋は大抵広めの部屋になっています。これには理由がありますが、説明すると長いのでまたどこかで説明したいと思います。
部屋が大きいので、大きな声を出さなくてはいけません。
オートボイスといって、レントゲンの準備ボタンを押すと自動的に
「息を吸って、止めてください」とアナウンスしてくれる装置がありますが、
これは技師を3年以上やらないと使ってわいけません!??
そして、患者さんのポーズをきめる(ポジショニングという)のも覚えなければなりません。
胸部レントゲン時のポーズの決め方については、以前このブログで紹介していますが、肩甲骨が肺と重ならないようにポジショニングするというテクニックを習得します。
しかし、なにより重要なのがフイルムの中に胸部(肺)がしっかりと入るように患者さんの位置を決めることです。これが、新人技師の最初の難問でしょう。
よくやる失敗が、胸部の上が切れちゃったという写真。
これはフイルムを配置する位置が、下すぎたときにおこります。
また、時々患者さんが息を吸っての合図とともになぜか爪先立ちしてしまうことがあって、きれてしまうことでもおこりますね。
次に多いのが、肺の下が欠けるという失敗。
これは、高身長のやせ形患者さんでよくある失敗で、このタイプの方は肺が長いのです。それで切れてしまうというもの。
また、直前の撮影で肺上部が切れてしまったという失敗をした後に、肺上部を気にするあまり下が欠けてしまうという失敗例でもあります。
このような失敗を経験しながら、みんな立派な放射線技師へと成長していきます。