MRI検査中、マスクはどうする?|「引っ張られないから大丈夫」が危ない理由
◎ MRI検査中、マスクはどうする?|「引っ張られないから大丈夫」が危ない理由
「マスク、つけたままでいいですか?」 ……MRI検査前によく聞かれる質問です。
答えは「場合による」です。でも「引っ張られないから大丈夫」という判断は、少し危険かもしれません。
1. まずCTの話——基本はそのままでOK
CTでは顔を撮影するときもマスクをしたままで問題ないことがほとんどです。マスクの金属が画像に映ることはありますが、診断を妨げるほどのアーチファクトにはなりにくい。現場でも基本的に外してもらうことはありません。
MRIは話が違います。
2. MRIでの基本的な考え方——撮影部位による
MRIでマスクをどうするかは、撮影する部位によって変わります。
お腹や足など、顔から離れた部位を撮影する場合は、基本的にそのままでも問題ありません。ただし頭部や顔、首を撮影するときは、マスクを外してもらいます。マスクが撮影部位の近くにあると、画像に影響が出るからです。
「外してください」と伝えると、みなさん素直に外してくれます。難しい説明は不要です。
3. マスクが画像に映るとどうなるか
マスクをしたまま頭部のMRIを撮影すると、マスクの周辺が黒く抜けてしまうことがあります。鼻から口のあたりの画像が乱れて、診断に影響することがあります。
4. 「引っ張られないから大丈夫」が危ない理由
MRIの磁石に引っ張られないマスクでも、安全とは限りません。
最近の研究でわかっていることがあります。ノーズワイヤーがポリエチレン製のマスクはアーチファクトへの影響が軽度ですが、金属製のノーズワイヤーを使ったマスクでは明らかなアーチファクトが出ることがわかっています。
さらに見落とされがちなリスクがあります。金属を含むマスクはMRIから発生する電磁波の影響で発熱し、顔に火傷を負わせる可能性があります。FDAもこの点について注意喚起を出しています。
磁石に引っ張られる感触がなくても、マスクに金属が含まれていれば発熱するリスクがある——「引っ張られないから大丈夫」という判断が危ない理由はここにあります。
磁石に引っ張られない=安全、ではありません。
5. 患者さんへのお願い
MRI検査のときは、使っているマスクに金属が入っているかどうかを確認しておいてください。ノーズワイヤーが金属製のマスクは、検査前に技師に伝えてください。
わからない場合は遠慮なく聞いてください。施設によっては金属なしのマスクを用意しているところもあります。
……「引っ張られないから大丈夫」と思っていたマスクで画像が乱れるのを見たとき、改めて思いました。見えないリスクほど厄介だと——冴えないおやじ技師の独り言です(笑)。 明日もまた、マスクの確認を怠らずに、検査室に向き合います。


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