2015年6月22日月曜日

MRIはなぜ時間がかかるのか?

MRIはなぜ時間がかかるのか?

MRIの検査時間が20から30分かかるというのは、すでに一般化した話であって「どうして?」とも思わなくなってしまいましたが、

CT検査が5分くらいで終わってしまうのに、

なんでMRIは今でも20分も必要なのか??

という疑問をお持ちの方がいるようなので、
MRIがなぜ時間がかかるのかについて今日は書きたいと思います。


MRIは頭や腰などの撮影が一般的です。
そのほかに総合病院だと膝なども割と多いでしょうか?

後はMRCPという腹部の撮影や前立腺のMRIも割と多いのではないでしょうか。

CTと比べて、MRIはいろんな画像が撮影できます。
CTは、エックス線を使った影絵ですから、一種類の画像しか撮影できません。
これに造影剤というX線によく映るお薬を使った画像で2種類になりますが、基本的に2種類しかありません。

対して、MRIはいろんな種類の画像が撮影できます。
いくつかありますが、思い受けベルだけでもこれだけあります。

1.T1強調画像
2.T2強調画像
3.プロトン強調画像
4.拡散強調画像などがあります。
このほかにも、
5.脂肪抑制T2強調画像などという脂肪を目立たなくしたT2強調画像
6.バランスシーケンスというT1強調画像とT2強調画像が混ざったような画像
7.造影剤を使用した画像など
8.さらにさらにこの造影剤にも種類があり、それぞれにまた写り方が違います

とにかくいろんな種類の画像が撮影できるわけです。


ということでいろんな種類の画像が撮影できるので、時間がかかっているといっていいのではないかと思っています。

ちなみに、いつも10種類以上の画像を撮影しているわけではなく、このなかから疾患にあった撮影方法を選んで撮影を行うのが一般的です。

よくある頭部検査だと、拡散強調画像、T2強調画像、MR血管撮影というやつが一般的でしょう。

向かって左から、T2強調画像、T1強調画像、拡散強調画像です。
T2強調画像では、画像の中心あたりにある脳室と呼ばれる部分が白く写っています。
水が白く写る撮影法です。脳室の中には、脳脊髄液があるため、脳室が白く写っていますね。

T1強調画像は、水が黒く写る撮影法です。脳室は黒です。
拡散強調画像は、細胞内のプロトン・・・・
・難しいので、簡単にいうとT2とT1とは違う撮影法で、ごく初期の脳梗塞がとらえられるそうです。
頭部血管撮影(3DのMRA)
血管だけ、しかも動脈だけを映し出すというすごい撮影方法。
このように360度好きな方向から見れます。


この3種類全部撮るか、2種類にするかは病院や主治医の方針によります。

2種類なら、10分程度で検査が終了します。
3種類だと15分くらいになりますかな。

ただし、検査時間は装置のスペックや撮影する画像の種類、造影剤を使うかどうかや主治医の判断などで変わります。

私の病院での頭部MRIだと、大体このようなタイムテーブルになります。

1.患者さんに検査説明と検査室への案内、位置決めをして5から10
2.患者名の登録など1
3.MRI撮影1種で大体3分かかるので、3種類の撮影で約10
4.検査終了で患者さんを検査室の外に案内するのに3分。
以上で、大体20~30分くらいになります。

しかし、先ほども言いましたが、これはあくまで私たちの病院のケースです。


もっと細かく撮影する場合はもっと時間がかかりますし、その逆もあります。
知り合いの病院では拡散強調画像とT2強調画像しかとらないというところもあるそうです。

あくまで参考程度にしてくださいね。

*画像はと東北大学病院さんのHPから引用させていただきました。こちらのホームページには画像に関して詳細な案内がされていましたので、より深く学習されたい方にはおすすめですよ。

実際の頭部MRI撮影風景動画をyoutubeで発見しましたので、次回はそれについて解説しますね。

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