認知症の家族を検査に連れて行くとき、家族にできること

◎ 認知症の家族を検査に連れて行くとき、家族にできること

「なんとか説得したんですが、いざとなると帰る帰るって言い出して……」 ……付き添いのご家族から、こう相談されることがあります。

正直に言うと、理解してから来ていただけるのが一番です。でも、それができれば苦労しないというのもわかっています。




1. 「帰る、帰る、帰る」は、よくあることです

認知症の患者さんが検査を嫌がるとき、子どもをなだめるのとは違う難しさがあります。

説明しても、なぜ検査を受けるのか、本人の中で納得が積み上がっていかない。とにかく帰りたい、帰りたい、帰りたい——この繰り返しになることがあります。ぬいぐるみやお菓子で気をそらすような対応が、そのまま通用するわけではありません。

子どもの場合はまだ、体を支えながらなだめて撮影できることもあります。でも認知症の患者さんは子どもではありません。大人の体格、大人の力です。本人の尊厳を考えても、無理に押さえつけて撮るという選択肢は、そもそも現実的ではありません。

これは珍しいことではなく、現場ではよくある光景です。ご家族だけの力でどうにかしようとしなくて大丈夫です。


2. 家族が一緒にいることで、落ち着くことがあります

検査室には基本的にご家族は入れません。ただし、一緒にいることで本人が安心して受けられるなら、入ってもらうことはあります。

見知った顔がそばにいるだけで、落ち着きを取り戻す方はいます。もし付き添いが可能かどうか気になる場合は、遠慮せず技師に聞いてみてください。


3. どうしても難しいときは、無理をしません

それでも本人が拒否を続ける場合、無理に抑えて撮影することはしません。

体を押さえつけて撮った画像は、本人への負担も大きく、望ましいものではありません。そのときは医師と相談し、鎮静剤を使うかどうかを検討することになります。


4. 予約検査は、その日に撮れないこともあります

正直な事情もお伝えします。予約制の検査は、後ろに次の患者さんが控えています。

説得に時間をかけすぎると、他の患者さんの予約に影響してしまいます。そのため、時間的な制約から、その日は諦めて日程を改めることも実際にあります。これはご家族の努力が足りなかったからではありません。


5. 家族にお願いしたいこと

理解してもらってから連れてきてほしい——というのが本音ですが、認知症の症状によってはそれ自体が難しいこともわかっています。

だから、無理に説得しようと頑張りすぎなくて大丈夫です。当日どうなるかは、来てみないとわからない部分もあります。一緒に入ってもらえるだけで変わることもあるので、まずは技師に相談してください。


……「帰る、帰る」と繰り返す患者さんの後ろで、どうしたものかと一緒に困っている、冴えないおやじ技師の独り言です(笑)。 明日もまた、ご家族と一緒に、できる範囲で向き合います。

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