小児のCT撮影、現場でやっていること|泣かせたら負けの技師の流儀
◎ 小児のCT撮影、現場でやっていること|泣かせたら負けの技師の流儀
「次、2歳の子どもです」 ……この一言で、検査室の空気が少し変わります。
小児のCT撮影は、技術より場の作り方で決まります。どれだけ撮影技術が高くても、子どもが泣いてしまえばゲームセットです。
1. 泣かせたら負け
一度泣いてしまうと、もう撮影はほぼ無理です。なだめようとしても火に油。最終的には体を抑えて力技になってしまう——それは技師としても、子どもにとっても、できれば避けたい。
だから泣かせないことが最優先です。
2. 検査室に入る前から勝負は始まっている
子どもは空気を読みます。大人が緊張していれば子どもも緊張する。だからまず笑顔でハイテンションで迎えます。声のトーンを上げる、目線を子どもの高さに合わせる——これだけで警戒心がぐっと下がります。
大人数で一斉に近づくのはNGです。知らない大人が何人も取り囲んでくれば、大人だって怖い。まず1人が関係を作ってから、必要に応じて他のスタッフが関わります。
家族にも笑顔で対応してください。保護者が不安そうにしていると、子どもに伝わります。「大丈夫ですよ」という雰囲気を、家族ごと作ることが大切です。
3. 男の子と女の子で違う
現場での肌感覚ですが——女の子は割と強いです。怖くても我慢できる子が多い印象です。
男の子は褒めると動きます。ただし4〜5歳以上の話です。2歳の子どもに「すごいね」と言っても、残念ながらまだ通じません。2歳前後は褒め作戦より、とにかく怖くない雰囲気を作ることと、家族にそばにいてもらうことが優先です。
4〜5歳になると「かっこいいね」「上手だね」が効いてきます。褒められると嬉しいという感覚が出てくる年齢です(笑)。
必要であれば家族に検査室に入ってもらうことも有効です。お母さんが隣にいるだけで、子どもの表情が変わります。
4. 撮影の工夫——スピードと被ばくのバランス
撮影時間を短くするため、回転スピードを速めに設定します。ただし速すぎると音が大きくなるため、ある程度のバランスが必要です。音が怖くて泣いてしまっては本末転倒です。
被ばく線量は大人より低く設定します。子どもは放射線感受性が高いため、必要最低限の線量で撮影することが原則です。
……「泣かせたら負け」と言いながら、泣かせてしまった日もある、冴えないおやじ技師の独り言です(笑)。 明日もまた、検査室に入る前に、一番の笑顔を準備します。


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