救急CTで技師が最初に見るべきこと|「70点でいいから速く」という判断

◎ 救急CTで技師が最初に見るべきこと|「70点でいいから速く」という判断

「救急です、CTお願いします」 ……この一言で、検査室の空気が変わります。

救急CTは通常の検査とは別物です。何を最初に確認するか、どこまで急ぐか——その判断が、患者さんの命に関わることがあります。




1. 最初に確認すること——「急ぐ疾患かどうか」

救急のオーダーが来たとき、技師が最初にすべきことは撮影準備ではありません。「これは急ぐ疾患か」を確認することです。

特に注意すべきは——

  • 急性期脳梗塞の疑い:発症から時間との勝負。tPA投与の適応を判断するために、一刻も早い画像が必要です
  • 大動脈解離の疑い:解離が進行すれば致命的。造影CTで範囲を確認する必要があります

これらは「急いで撮る」だけでなく、撮影後にSTAT(至急)で画像を送る必要があります。読影医や担当医がすぐに確認できる状態を作ることも、技師の仕事です。


2. 急ぐときは「70点でいい」

救急CTで新人がやりがちなのは、なんでも綺麗に撮ろうとすることです。

通常の検査なら正しい姿勢です。でも急性期脳梗塞や大動脈解離の疑いがあるとき、完璧な画像を追い求めて時間をかけることは、患者さんへの負担になります。

70点でいいから速く。

体動アーチファクトが少し出ても、ポジショニングが少し甘くても、診断できる画像であれば十分です。「綺麗に撮る」より「速く撮って情報を届ける」を優先する判断——これが救急CTの基本です。

救急CTの目標は「完璧な画像」ではなく「診断できる画像を速く届けること」です。


3. 「できる技師」は先を読む

ここからが現場の腕の見せ所です。

オーダーを見た段階で「造影が必要になるかもしれない」と判断したら、先に造影剤の準備をしておく。これだけで、いざ造影追加になったときにスムーズに動けます。

さらに、転院搬送になりそうな症例とわかったら——紹介用のCD画像や、手術時に見やすい画像を先に作っておく。誰かに言われたわけではありません。でも準備されていたとき、ナースから「さすが〜!」と言われる瞬間があります。おやじ技師、素直に喜びます(笑)。

救急の現場で頼られる技師は、今起きていることだけでなく、次に何が必要かを読んで動ける技師です。


4. 「急ぐ疾患」を見極める目を育てる

最初のうちは「これは急ぐ疾患か」の判断がわからないかもしれません。だから先輩に確認するのは正しい。ただ、確認しながら少しずつ自分の判断基準を作っていってほしい。

脳梗塞・大動脈解離・肺塞栓——救急CTで時間との勝負になる疾患を覚えておくだけで、最初の判断が変わります。


……ナースに「さすが〜!」と言われるたびに、次も頑張ろうと思う、冴えないおやじ技師の独り言です(笑)。 明日もまた、オーダーを見た瞬間から、次の展開を読みながら動きます。

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