膝X線ポジショニングの正体|「なんとなく合わせてる」新人が知らない3つの基準
◎ 膝X線ポジショニングの正体|「なんとなく合わせてる」新人が知らない3つの基準
「膝のレントゲン、なんとなく合わせてるんですけど……合ってますか?」 ……現場でよく聞かれる言葉です。
膝のX線は頻度が高いわりに、ベテランでも「なんとなく」になりがちな部位です。ただ、基本の考え方を3つ押さえておくだけで、ポジショニングの迷いがぐっと減ります。
1. 側面像|内外側顆が重ならないとき——腓骨頭を見る
側面像で顆がうまく重なっているかどうか、慣れないうちは判断しにくいものです。そこで腓骨頭をバロメーターにするのが現場での定番です。
脛骨に対して腓骨頭が約1/3重なっていれば合格です。それより多ければ体を少し仰向け側に戻してもらう、少なければ少しうつ伏せ側に倒してもらう。患者さんへの声かけは「少し後ろに戻してください」「少し前に倒れてください」でそのまま使えます。
顆を直接合わせようとするより、腓骨頭で判断する方がはるかにわかりやすい。これを知っているだけで、側面像の迷いが半分以下になります。
2. 正面像|顆が左右対称にならないとき——膝蓋骨から合わせる
足先をまっすぐにしても膝蓋骨が正中に来ないことがあります。特に変形膝ではよく起きます。
おすすめの順番はこうです。まず膝蓋骨を触診して、正面を向いているか確認する。そこから足先の位置を合わせる。
「足先→膝蓋骨」ではなく「膝蓋骨→足先」。この順番を変えるだけで、正面像のズレが減ります。当たり前のようで、新人のうちはなかなか気づかない順番の話です。
3. ローゼンバーグ法|なぜPAで撮るのか
「ローゼンバーグはPAで撮る」——知っている。でも「なぜPAなのか」と聞かれると、意外と答えられない。
ローゼンバーグ法の目的は、立位屈曲位での荷重部——大腿骨顆の後方——の関節裂隙を見ることです。PAで撮ることで、その部分が正確に描出されます。
ただ、ここで素直に考えると一つ疑問が出てきます。「45°屈曲した状態では後方がカセッテ側に近い。だとしたらAPの方が後方をより鮮明に描出できるのでは?」——この疑問、実は文献を調べても明確な答えが見つかりませんでした。原著まで遡って調べた話は、次の記事で詳しく書きます。
側面像は腓骨頭、正面像は膝蓋骨、ローゼンバーグはPAの理由を。この3つを意識するだけで、膝のポジショニングは別物になります。
……「なんとなく合わせてた」時代が自分にもあった、冴えないおやじ技師の独り言です(笑)。 明日もまた、腓骨頭を見ながら、丁寧に向き合います。


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