尿管結石、レントゲンでも見えるけど、見逃すこともある
◎ 尿管結石、レントゲンでも見えるけど、見逃すこともある
「急にお腹の横が痛くて、動けないくらいでした」 ……尿管結石で受診される方から、よくそう聞きます。
尿管結石は、レントゲンでも見えることがあります。ただ、見逃されることもあります。
1. レントゲンでも、6割くらいは見える
尿管結石は、成分によって見え方が変わります。日本人の尿管結石の多くは、カルシウムを含む成分でできています。カルシウムはX線をよく吸収するため、レントゲンでも白く写ります。
ただし、レントゲンだけで結石が見つかる割合には、実は幅があります。**6割程度という報告もあれば、9割近いという報告もあります。**成分や大きさ、どんな患者を対象にしたデータかによって、この割合は変わってきます。共通して言えるのは、レントゲンだけでは見つからない結石も一定数あるということです。
2. 見逃される理由は、成分だけではない
「4割も見逃されるなんて、成分が特殊なものが多いのか」と思うかもしれませんが、それだけが理由ではありません。
石そのものが小さい場合や、腸の中のガスと重なってしまう場合も、レントゲンでは見つけにくくなります。カルシウムを含む石でも、位置や大きさによっては、写っていても見逃されることがあるのです。
もう一つ、体格も関係してきます。体が大きい方の場合、X線が体の中を通る間に散らばってしまい、画像全体がかすんで見えることがあります。ちょうど、薄いすりガラス越しなら向こうが見えても、厚いすりガラス越しだと光があちこちに散らばって、全体がぼんやりしてしまうのと似ています。体格によって、この「かすみ」の強さが変わり、小さな石が埋もれて見えにくくなることがあるのです。
3. CTなら、ほぼ確実に見える
一方、CTを使えば、尿管結石はほぼ確実に見つけられます。
体を輪切りにして見るCTは、腸のガスと石が重なる心配がありません。しかも、レントゲンでは見えにくい成分の石も、CTならしっかり捉えられます。
急な腹痛で尿管結石が疑われる場合、レントゲンだけで判断がつかなければ、CTに進むことがあるのは、こうした理由があるからです。
4. 「レントゲンで異常なし」でも、安心とは限らない
レントゲンで石が見えなかったからといって、必ずしも「結石がない」とは言い切れません。
見えにくい成分の石だったり、たまたま見えにくい位置にあったりすることもあります。痛みが続くようであれば、追加の検査が必要になることもあります。
レントゲンでも多くは見える。でも、見えないことがあるのも事実。だからこそ、CTという選択肢が用意されています。
……お腹の痛みを訴える患者さんに、まずレントゲンから始める理由を説明しながら、冴えないおやじ技師の独り言です(笑)。 明日もまた、見えるものと見えにくいものを頭に置きながら、検査室に向き合います。


コメント
コメントを投稿