「何で頭のCTは80mGyもかけているのか?」と言っていた。
そうです。
よくテレビなどでCT1回の線量は。。。
なんて報道されますが、なぜかその時でてくるのって胸部CTの値で7mSv.
しかし、この間読売新聞に載っていた頭部CT施設間で10倍!!という記事は、照射量の多い頭部CTがメインになっていてなぜかこれはmGyの話になっているのだ。
この時にも頭部CTがほかの部位に比べて多いというのが公とされていたのだが。。。
さてさて、頭の線量についてはおいらが技師になりたてのころ、
「頭は骨に囲まれてるから線量が必要なんだ」と、先輩に習った。
その時は妙に納得ができてしまった。というのも、エックス線は骨に吸収されやすいからだ。
だから、多目にエックス線をかけないとデータ不足でザラザラした画像になってしまう。
ということでしばらく納得していたが、考えて見るとそれって違うのではないかと数年後に気づく。
レントゲン撮影の時にお腹の撮影をするが、この時の撮影線量と頭部の線量を比べるとたいして変わらない。
腹部にも骨はあるが、骨盤と肋骨、脊椎くらいのもので骨に囲まれてなどいない。
そして、CTの照射量も骨盤も腹も頭部の線量の半分以下しかかけていない。
ということは、骨に囲まれてるとかって関係ないと思ったのだ。
そして色々と考えてみたら、わりと簡単だった。
恐らく濃度調整WW/WLと見たい病気の違いなのだ。
頭部の画像は脳の組織の濃度差を見ている。
しかし、脳の組織は同じ脳なのでほとんど同じくらいの濃度で描出されるから、この組織間に差が付きにくい。
腹部に関しては、血管や肝臓や腸など空気があったり、水があったり、脂肪があったりといろんなものがあるから臓器ごとに濃度差がつきやすい。
そして、脳のようなちょっとした濃度差を見えるようにするには、濃度調整でコントラストをあげるしかない。
だから、脳のCT画像はWW/WLが80/45などといった濃度設定になっているのだ。
そしてコントラストをあげると、画像がざらざらになる。
ザラザラを防ぐには線量を増やすのが効果的。
だから線量あげているのだ!
ということを家に帰る途中歩きながら思い出した。
明日、後輩に説明すればいいのだが、たぶんすでにどうでもよいと思ってそうだし、
なにより自分も忘れそうなのでここに書いておこう。
この考察間違っていたら誰か教えてくださいね。
診断参考レベル:頭部のCTDI(mGy)は多い |
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