胸部・腹部CT、腕を上げて撮る理由 だめな時は。。。
◎ 胸部・腹部CT、腕を上げて撮る理由
胸部や腹部のCTを撮るとき、両腕を上げてもらう。
理由を聞かれて、うまく答えられるだろうか。
1. 腕を上げると、画像がきれいになる
胸部や腹部のCTでは、両腕を頭の上に上げた状態で撮影する。こうすると、画像がきれいに仕上がる。
逆に、腕を下ろしたまま撮ると、画像に横方向の線が入ることがある。
2. 線が入る理由は、骨が並ぶから
腕を下ろした状態だと、体を輪切りにして見たとき、右腕・背骨・左腕という3本の骨が、横一直線に並ぶ。
X線は、骨のような密度の高い部分で強く吸収される。3本の骨が同じ高さに並ぶと、その部分でX線が余分に吸収され、結果として画像に横線となって現れる。
腕を上げれば、この3本の骨が横一直線に並ばなくなる。だから、線が入らずにきれいな画像になる。
3. 腕を上げられない患者もいる
理屈は分かっていても、現場ではそう単純にいかない場面がある。
救急で意識のない患者、痛みで腕を上げられない患者。こういう場合は、仕方なく腕を下ろしたまま撮影することになり、画像に線が入ってしまう。
4. 腕を伸ばして、枕に乗せる、という工夫
腕を上げられないときの対処法として、お腹の上に大きめの枕を置き、その上に腕を伸ばして乗せるという方法がある。
肘を曲げずに、腕全体を枕の上に預ける形だ。腕の位置が持ち上がることで、横から見たときに腕と背骨が重なりにくくなる。腕を頭の上まで上げられなくても、この体勢を取るだけで、線の入り方がかなり改善される。
5. 枕の高さが、ポイントになる
ただ、この体勢を保ってもらうのは、枕の高さ次第で結果が変わってくる。低すぎると腕が下がってしまい、効果が薄れる。
そこで使うのが、やや大きめの枕だ。お腹の上に乗せて、その高さで腕を支える。枕なら、どのCT室にも常備されている。特別な道具を用意する必要がない、というのも実用的な点だ。
腕を上げられない患者にも、工夫次第できれいな画像を撮る方法がある。
……新人の頃、なぜ線が入るのか説明できず、先輩に聞き直した、冴えないおやじ技師の独り言です(笑)。 明日もまた、腕の位置を意識しながら検査室に向き合います。


コメント
コメントを投稿