2015年12月18日金曜日

暴れる患者さんのCT撮影:秘技・枕で関節を抑えよ!

救急でCTを撮影することは多い。

最近のCTはとっても高速に撮影できるので、救急ではもってこいの装置だ。

多少暴れて動いてしまうような患者さんでも割と撮影できる。

この「わりと」というのが解釈の難しいところで、
暴れるほど症状があるならば、病状が悪いため画像的にも病気がみつけやすい。
すなわち画像の解釈がわかりやすいために多少動いた画像でも許容されるケースがあるということなのだが。

高速だから動いていても常にきれいに撮影できるという訳ではない。

とはいうものの。そういったこともあって、泥酔状態の方のCTも撮影することがあるし、脳に病気があって暴れてしまう方を撮影することもある。

そういった時は体を抑える必要がある。

押さえつけるというとなんだかひどいことをしているように思われるかもしれないが、
CTのベッドも高さ1メートル以上あるから落ちたら骨折する。

だから、患者さんがCTのベッドから落ちないよう固定するというのは大事なことだ。

さて、そんなときの撮影では患者さんをベッドについているベルトで固定するのだが、この固定が重要である。

固定で一番需要なのが関節を固めることだ。

大抵の場合、症状が重いひとほど点滴をした状態で撮影するケースが多い。

なぜ点滴されているかというと、容態が急変したらすぐにそこからお薬を注入できるためだ。

このときよくあるのが、点滴を患者さんが自分で引き抜いてしまうこと。

だからこれをさせないためには、それぞれの手が届かないように工夫する必要がある。

そんな時は肘のところを中心にしてベルトで固定する。

ただし、そのまま固定してもおなか側に腕を回すことができてしまう。

そこで、肘を曲げることができないように固定する必要がある。

その為に私たちは枕などを抱えさせてその上からベルトで固定する。

こうすると拘束力が格段にあがる。

そして、なにより重要となるのが足の固定である。

足の筋肉はかなり強いので、しっかりとした固定を行わないとすぐに体を起き上がらせてしまう。

装置を蹴飛ばすこともある。

この場合も大事なのは関節を固定すること。

とにかく膝を曲げられないように固定するのが重要である。

先ほどの肘のケースと同様に枕などを膝の上に置いて足と一緒にベルトで固定すると拘束力が格段に上がる。


今日この方法を新人に伝授した。俺の技に驚愕していた。

恐らく、「こいつ、キチガイ」と思われたのだろう。

とはいうものの。一瞬の油断でベッドから落ちてしまえばもともこもない。

明日から夜勤スタートのあなたも参考にしていただきたい。

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