2018年6月12日火曜日

秘伝、放射線学生の為のはじめての核医学

先月のことだ。
学生が、核医学がまったくわからんとぼやいていた。
学生の甘えには厳しい指導をとるのが昭和育ちの私が大事にしているところであるが、、、
しかし、やつらと来たら。
まったく、わかってなーい。。。!!
何をこの三年間習ってきたのだ君たちは。
ということで今回は、
何より簡単な学生の為の、
秘伝の核医学入門
を展開することにする。
私が臨床でやっていた際にはこの解釈でほぼいけたから、学生諸氏には十分であろう。
なにより、良い実習を送ってもらいたいではないか。
ブログであるので、そこまで責任が重くないのもまた良しだ!
核医学は写真撮影だと思うな!
核医学検査は写真を撮影しているが、それが主だと思ってはいけない。
放射性同意元素の行方を測定している検査であるということを肝に命じること。ここがとても大事だ。
だから、CTやMRIに比べて画像が汚いことは、問題ないのだ。
何よりの強みは、計測値を知ることができるということ。
写真では頭の大きい小さいといった比較しかできないが、核医学では、その物質の使われ具合(代謝)を数値で表すことができる。
数値で表せるということは、比較がしやすい。これ、これが重要だ。
例えば同じ体格の人が二人並んでいて、その人はどっちが重いかどうかというのはわからないだろう。しかし、体重計で計測すればわかる。
このように、数値化できるとわかりやすくなるのだ。
また、正常の人の数値と比べることで、悪いところがわかるという使い方ができるというのも特徴的だ。
よく臨床で使われるeZISやらなんやらというソフトウェアは、核医学検査のデータを、正常の人のデータと比較してどうなってるのかを表してくれるソフトウェアだ。
学校のテストだと、答案用紙を返されて終わりだが、
全国一斉模試だとどこの教科のどこの部分で点数が悪くて、全国的にみてなん番目かとかわかるようになるのと同じなわけだ。
これができるのも大きな利点。
だから、CTやMRIが適応とならない検査が適応となるのである。より噛み砕いて言えば、精密検査であると言えるのだ。
もう少し詳しく言えば、脳出血はCTでわかる。恐らく核医学検査でもやればわかるだろうが普通はやらない。それは、CTでわかるからである。
ただ、核医学には大きな問題がある。
とにかく時間がかかること。
でもこれは仕方ない。
放射性同意元素を大量に投与すれば、計測時間を減らせるかも知れないが、被曝が増えるからそんなことはしないのである。
まぁ、このあたりは核種にもよるが。
みんなが大好きなテクネシウム99mTcのエネルギーは約140kev 
塩化タリウム201TcTlなら約70kevであるが、半減期はテクネシウムは6時間、対してタリウムは72時間。なんと12倍だ!
というように被曝するエネルギーと時間も影響すると言うこともよく覚えておくとよいだろう。
この程度覚えておけば、核医学検査のスタートラインにはのれるであろう。
では、山本君頑張ってくれ。
 

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