画像診断の業界では、引き算を使用した画像表示がよく使われているのはご存知でしょうか?
その引き算技術が日常的に広く使用されているのがDSA(デジタル・サブトラクション・アンギオグラフィ)検査と呼ばれる血管造影検査です
血管造影検査というのは、血管の中に造影剤を流しながら撮影する検査です。
造影剤というのは、レントゲンによく写るお薬です。
ですから、この造影剤を血管の中に流しながら写真を撮影すると血管の写真が撮影できるわけです。
しかし、このとき造影剤だけが写ってくれれば血管だけを観察できるため好ましいのですが、レントゲン撮影なので同時に骨が写ってしまします。
そこで、同時に写ってしまう骨を写らないように引き算してやろうとうのがサブトラクション技術です。
この原理は
①造影剤を入れる前の骨だけの写真をあらかじめ数枚撮影します。
この画像は、後で骨をマスクするということでマスク像と呼びます
②その後、造影剤を流しながら撮影した画像を撮影します。
流しながらとっている、すなわちライブ画像です。ライブ像と呼んでいます。下の説明画像だとコントラスト画像となっています。(学会的にはこのようによぶのかな?)
③後から骨の画像を引き算すると、血管だけが写るようになります。
引き算された画像なので、サブトラクション画像と呼ばれます。
これがサブトラクション法です。
DSA原理:放射線技術学会ホームページより引用しています |
この引き算処理をデジタルで(コンピューターで)できるようになったものがDSA(デジタルサブトラクションアンギオフラフィ)と呼ばれています。
デジタルではなかったころは、単純にサブトラクションとよんでいて、フイルムを使ってサブトラクションをしていました。
暗室にこもっての作業が必要だったので、今のDSAと違ってとても大変でした。
最近の画像診断装置の高度化はすさまじいですけれど、このような結構地味な技術が王道として使われているのも面白いですよね。
このサブトラクションの技術は最近CT検査にも使われるようになりました。
どこかでその話もしたいとおもいます。
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