この輪切りには、いくつか種類があります。
横切り、縦切り、輪切りの3方向、斜めにも切ることができます。
基本は輪切で横断像と呼んでいます。アキシャルビューともいいます。
小さな病気を見たい時には、輪切りの厚みというのも薄くする必要があります。
病気よりも厚みのある輪切り画像を撮影したら、病気がわからなくなってしまいます。
ですから、できるだけ薄切りしたいというのが、人情というところ。
では常に薄切りが一番いいのか?
今一般的になったマルチスライスCT装置は大体1㎜位で撮影しています。
ですから、ほとんどが薄切り画像です。
しかし、私の病院では通常は1センチから5ミリくらいの厚みの輪切り画像で病気を診断しているケースがほとんどです。
さてこれはどういうことか?
頭部のCT検査では、この写真の赤点線でしめした部分の輪郭が明瞭に見えるか見えないかということを観察する必要があります。
さて、この輪郭は1㎜の厚みの画像と5㎜の厚みの画像で比べるとどちらが見やすいでしょう?
厚さ1mmの画像 |
厚さ5㎜の画像 |
5㎜の画像の方が輪郭を追いやすいですね。
これは、画像のなかに含まれるイレギュラーな信号が原因とされています。
1mmの画像ではノイズと呼ばれるそのイレギュラーな信号の割合が高くなってしまうため、このように画像がざらざらしてしまうのです。
このざらつきを抑えるために、ある程度の厚みのある画像を作成しています。
ということで、病気によって適正な画像の厚みを選ぶ必要があるということを今日はご紹介しました。
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