2015年10月20日火曜日

散乱線はどのようなときに問題となるのか

散乱線と放射線技師、続きです。

散乱線があると画像に影響が出るということはきのう書きました。

さて、この散乱線というのは、どのようなときに発生するのか?

散乱線はエックス線と衝突する範囲が大きくなると増えます。

すなわち体の大きな人の写真を撮影すると、たくさん発生します。

なぜかというと、体の厚みが大きければそれだけエックス線が体の組織と衝突する範囲が増えるからですね。

しかし実はここにもう一つの理由があります。

そもそもレントゲン撮影では体を透過してきたエックス線を検出して画像化しているわけですが、

この透過率も体が大きいと低くなってしまいます。

そして、透過してきたエックス線の量が少ないと画像がざらざらになってしまうのです。

ですから、体の大きい患者さんを撮影するときは、エックス線を多めにかけます。

しかし、たくさんかけても体を透過するだけの力を持たないエックス線の場合はいくらかけても体に吸収されてしまうので、吸収される量が増えるだけで被ばく量が増えてしまいます。

そのようなときはエックス線のエネルギーを上げて撮影しています。

さてさて、エネルギーーがあがるとどうなるか?

エネルギーが高いエックス線を人体に照射すると、散乱線が増えます。

散乱しやすくなるのです。

しかも最初のエックス線のエネルギーが高い分、散乱線のエネルギーも高くなるのでフイルムに到着する散乱線が増えてしまいさらに画像がぼやけてしますのです。

ということで、体の大きな方の画像ぼやけやすいのです。

このように、散乱線はとっても手ごわいものなのです。

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