2015年10月23日金曜日

頭の血管の3DTCA検査はタイミングが大事

頭の血管のCT撮影というのがありまして、頭部血管3D撮影と呼ばれているのがあります。

頭部血管というと、動脈も静脈もありますがたいていの場合、動脈の撮影をします。

なぜかといえば、動脈でおこる病気が多いからです。

CT検査では、血管の写真を撮影するとなると造影剤を使います。

そうしないとよく映らないのです。

そして、この頭部血管の検査のように動脈を観察する検査では、撮影するタイミングが大事です。

というのも、CT検査では静脈から造影剤をいれます。

その造影剤が静脈から心臓に帰ってきてその後動脈に到達した時に撮影しないといけないからです。

早く撮影すると造影剤が写っていないスカ画像になってしまいます。
遅くても、スカ画像になります。

ということでタイミングよくシャッターを切らなければいけません。

とはいっても、だいたいの人は静脈からいれた造影剤はだいたい25秒くらいで動脈に到着します。

ですから、造影剤を入れてから25秒後に撮影すれば動脈が9割がた撮れるのです。

しかし、頭の場合は少しやっかいで、脳出血などが起こっていると脳が腫れます、
脳は腫れても骨に囲まれているので膨らめ切れませんから、脳自体に圧力がかかります。

この脳圧が高いという状態になると、脳で血管が押されているようなかたちとなり、

心臓から送られた造影剤が首より上、つまり脳の中に入りにくくなりタイミングが大きくずれることがあるのです。

ですから、同じ脳動脈の撮影でも病状によっては撮影も難しくなります。

ちなみに私たちはこのような理由から、頭の中を造影剤を入れてから数回撮影し、
造影剤が到着したのを確認してから撮影しています。(ボーラストラッキング法といいます)

若手からの質問返答でした。忘れないように記しておきます。

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