2015年12月21日月曜日

動きを止める造影剤!

記念撮影などの写真撮影で一番気を使うことと言えば、ぶれない画像を撮影することだろう。

旅行などにいって撮影した画像が、何を撮ったのかもわからないようなブレぶれ画像だったりしたらがっかりですね。

さて、今日もレントゲンのはなしです。

私達の仕事、レントゲン撮影でもぶれない画像であることは最重要項目です。

動いてしまえば、病気を診断できなくなりますからね。

動きを抑制するにはベルトで固定したり、息を止めてもらったりします。

しかし、動かないようにいくら固定してもどうしても微妙に動いてしまうケースというのがあります。

そんないくつかのケースの中で、造影剤の熱感で動いてしまうケースがあります。


血管に入れるタイプの造影剤は、体の中に入ると体が熱くなるのです。
結構熱くなるようで「熱い!」と思った途端にびっくりして動いたり、力が入ってしまって動いてしまうというわけです。少しの動きではありますが・・

この少しの動きでも問題となるものの一つに例えば頭の血管撮影というのがあります。

通常のレントゲンで頭を撮影しても、頭の血管が写ることはないです。

こんな感じ。



その為、血管がレントゲンに移るように造影剤というものをつかいます。
造影剤はレントゲンによく映るお薬ですから、それを血管に流してやってそこを撮影すると血管が写ってくれます。
ただ、そのままだと頭の骨も血管と一緒に移ってしまい見にくいです。
こん感じになります。


そこで骨だけ見えないようにする方法があります。

造影剤が入ってくる直前のレントゲン画像(骨しか写っていない)と造影剤が入ってきてから撮影した画像を引き算して、血管だけが写っている画像を作るということをやっています。

そうするとこのような感じです。


これをサブトラクション法といいます。


と言うことでこの撮影は、患者さんが動いてしまうと引き算が上手くいかないという事態になってしまうので動かないようにするのは重要です。


さて、その造影剤ですが血管の中に入れると体が熱くなります。

これは造影剤が濃度の濃い液体なので、浸透圧というのが高いために起こるとかんがえられています。

もう少し詳しく言うと、血管に造影剤が入ると血管の中の液体の濃度があがります。

これを平衡状態にするために、細胞の中の水が血管に入ってきて濃度を薄める方向に働きます。すると、血管は水が多くなるので膨らんでそれが熱感として感じられるそうです。

では、この熱感はどのようにしたら抑えられるのでしょうか?

熱感を生じさせるのは造影剤の浸透圧が高いことであると先程書きました。
と言うことは浸透圧がより低い造影剤なら熱感を発生させないと言うことです。

そんな造影剤が実は発売されていてそれがビジパークと呼ばれるもの。

今日その説明を聞いたのですが、本当に熱くないようです。

ただし、日本では血管撮影用のものしか販売されていないそう。CTでは使えないそうです。残念。。

今日もまたひとつ学んだので記事にしてみました。





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